研究班・課題の成果

身体技法および感性の資料化と体系化

課題2 用具と人間の動作の関係の分析

身体技法の違いにもとづく古代日本列島の民族分布の復元に関しては、東北地方の各地における調査結果から、外来の弥生人が日本列島に持ち込んだ鍬は、鍬平の板に柄を柄組みするのが一般的であるが、東北地方では幹から枝分かれする部位を使って鍬平と柄を一本造りで削りだすものが広く見られることを突き止めた。一本造りは森の民、縄文人に顕著な事実であることからして、木摺臼の立位移行は縄文人の身体技法に基づくものという仮説を検証した。


また、在来犂の比較調査においては、長野、富山、石川県の直轅長床犂が在来犂の基本系であるのに対し、山梨県では三角枠無床犂が在来犂の基本であることを調査を通じて確認した。その結果、混血型や非混血型など犂型から6世紀と7世紀の時代を読み分ける方法の妥当性が中部地方の犂からも検証できた。

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