研究班・課題の成果

身体技法および感性の資料化と体系化

課題1 身体技法の比較研究

人類史的立場からの総合的な取り組みとしては、日本・フランス・西アフリカの比較研究を通して「三角測量による文化比較」(2004)などを発表し、2005年の第1回国際シンポジウムでは基調講演「非文字資料から見る人類文化」をおこなった。また、2004年8月にメキシコ調査、2004年9月に中国内蒙古調査、2005年7月にモンゴル調査を実施した。さらに、感性に関しては2005年12月、フランスで調査をおこない、嗅覚についての考察を深めた。

芸能研究のフィールドワーク分野においては、「身体技法と感性の接点に位置する芸能の身体表現のデータ化と定量比較」と題して、モーションキャプチャによる芸能の定量比較に取り組んだ。「型」によって身体表現が定型化・様式化される伝統芸能では、上演の場として舞台を意識するが、他方、民俗芸能は、祭儀の場を上演の場とし、神と人が一体となり、人々の希求する祓い清めや招福を意図した跳躍や、旋回の舞踊が繰り返される。この対照的な2つの芸能を比較するため、伝統芸能では能楽の観世流シテ方、民俗芸能では、奥三河花祭り、中国江西省南豊県石郵村の儺舞の演者の実演によるデータを収録した。

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