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研究班・課題の成果
図像資料の体系化と情報発信
課題2 『日本近世・近代生活絵引』の編纂
- 研究経過
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- 研究成果
共同研究方式による編纂書として、『日本近世生活絵引』北海道編、東海道編、北陸編の3冊を刊行することができた。それぞれ絵引としては試案本ともいうべきものであり、十分に完成したものではない。しかも、それぞれの研究状況を反映して、統一した形式の絵引にはなっていない。むしろ絵引の方式としてどのような構成・組み立てがふさわしいかを検討するための材料になるように、それぞれ異なる形式の絵引とした。北海道編は、事項に対するキャプションは必ずしも多くないが、詳細な読み取り解説を付け、現代の研究水準を示した。東海道編は、『絵巻物による日本常民生活絵引』の方式を踏襲して、選択した図について事項キャプション、読み取り解説をつけた。北陸編は、農書としての図像部分は簡略にし、金沢城下の生活を重点的に取り上げ、絵引化した。
印刷刊行した3冊の絵引に加えて、副産物としての絵引データベースを作成して公開した。データベースは、3冊すべてではなく、『東海道名所図会』についての絵引データベースのみを今回は公開した。従来のデータベースは文字から検索して、目的のデータに達することを基本にしてきた。今回のデータベースでも、文字を入力して検索する方式に多くの利用者がなれていることもあって、これを字引検索という名称を与えて設定したが、加えて絵引データベースの真価を発揮するための図像から検索する方式を模索し、データベースの検索窓口として絵引検索を設定した。