全体研究活動報告
シンポジウム
第3回国際シンポジウム
第1回国際シンポジウムは「非文字資料とは何か」というテーマで開かれ、第2回国際シンポジウムは「非文字資料を読み解く」というテーマで開かれ、それぞれ多くの収穫があった。第3回国際シンポジウムは、これまで2回の国際シンポジウムを承け、研究成果を踏まえた新たな情報発信の試みを公開提示するとともに、本プログラムの活動全体を総括するイベントになるよう企画している。このシンポジウムでは、今まで取り組んできた「非文字資料」研究の成果のなかから、とくに地域研究と身体技法にかかわる成果を、新たに開発したシステムにより情報発信することを試みる。1日目の報告内容は、地域という「場」に人類活動の記憶を見出すための情報発信であり、2日目の報告内容は、身体技法という人間の「からだ」に刻印された人類文化の記憶を読みとるための情報発信である。各研究グループの成果を統合・体系化して、ひろく社会に発信する方法を開示したい。また2日目の午後には、総合討論の時間を設け、本プログラム全体について総括をおこなうことを予定している。この領域に関心を持つ内外の多くの方々の参加を得て、第3回COE国際シンポジウムが「非文字資料」研究の新たな地平を切り開くたしかな一里塚となり、最終年度にふさわしい催しになることを願っている。
テーマ | 場の記憶・からだの記憶 非文字資料研究の新地平 |
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開催日 | 2008年2月23日(土)・24日(日) |
会 場 | 横浜キャンパス16号館 セレストホール |
趣 旨 | 「人類文化研究のための非文字資料の体系化」という壮大な課題を掲げた神奈川大学21世紀COEプログラムは、本年度をもっていったん終了する。図像・民具・景観などの分野にかかわる「非文字資料」研究を積み重ねてきたが、その成果を統合・体系化してひろく社会に還元することが課題として残されている。 |
詳 細 | ポスター、リーフレット |
第1日目 2月23日(土)
プログラム
<総合司会>西 和夫(神奈川大学教授、COEサブリーダー)
- 10:00~10:05 開会挨拶
- 中島 三千男(神奈川大学長)
- 10:05~10:20 主催者挨拶
- 福田 アジオ(神奈川大学教授・COE拠点リーダー)
- 10:20~11:40 セッション1「マルチ言語版『日本常民生活絵引』の編纂刊行」
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- [コーディネーター]
- 前田 禎彦(神奈川大学准教授・COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 前田 禎彦(神奈川大学准教授・COE事業推進担当者)「オリジナル版『生活絵引』の編纂とその意義
- 君 康道(東京大学大学院総合文化研究科講師・COE共同研究員)「マルチ言語版『生活絵引』の編纂とその意義
- [コメンテーター]
- 韓 東洙(韓国、漢陽大学校建築大学教授)
- クリスティーナ・ラフィン(カナダ、ブリティッシュコロンビア大学助教授)
- 12:50~14:40 セッション2「租界、神社の遺跡から過去の実態を読み解く試み」
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- [コーディネーター]
- 大里浩秋(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 冨井 正憲(神奈川大学助教・COE共同研究員)「旧在華企業の居住環境-公大紡績住宅を中心に」
- 孫 安石(神奈川大学准教授・COE事業推進担当者)「漢口日本租界と日本人-菊地洋氏の資料を中心に」
- 津田 良樹(神奈川大学助手・COE共同研究員)「旧満州における神社のありよう」
- 三鬼 清一郎(元神奈川大学教授・COE共同研究員)「倭城と近世城郭」
- [コメンテーター]
- 李 百浩(中国、武漢理工大学教授・武漢理工大学土木工程与建築学院院長)
- 蔡 錦堂(台湾、国立台湾師範大学副教授・台湾史研究所所長)
- 14:55~16:55 セッション3「インターネット・エコミュージアムの可能性 -地域研究と情報学の連携-」
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- [コーディネーター]
- 佐野 賢治(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- <事例報告>
- 小野 博(コンテンツ(株))「福島県只見町におけるインターネット・エコミュージアム」
- [パネリスト]
- 佐野 賢治(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)「非文字資料と地域社会 -地域統合情報発信システムとしてのインターネット・エコミュージアム-」
- 木下 宏揚(神奈川大学教授・COE共同研究員)「地域情報の統合化 -民具データを事例にして-」
- 朽木 量(千葉商科大学准教授)「地域を博物館(ミュージアム)にすること -記憶という地域文化資産-」
- 柴山 守(京都大学東南アジア研究所副所長)「地域情報学の創出 -ハノイ都市形成研究を事例にして-」
- [コメンテーター]
- 尹 紹亭(雲南大学教授)「中国文化生態村の構想と実際から」
- 任 章赫(韓国・韓国中央大学校副教授、文化財庁文化専門委員)「韓国民俗村の実績と可能性から」
- 16:55~17:35 質疑応答
- 17:35~17:40 閉会挨拶
第2日目 2月24日(日)
<総合司会>田上 繁(神奈川大学教授、COE事務局長)
- 10:00~11:30 セッション4「身体技法及び感性の資料化と体系化」
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- [コーディネーター]
- 廣田 律子(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 川田 順造(元神奈川大学教授・COE共同研究員)「身体技法及び感性の体系的資料化にむけて」
- 廣田 律子(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)、海賀 孝明((株)わらび座チーフエンジニア)「モーションキャプチャ技術と身体技法」
- 渡部 信一(東北大学教授)「民俗芸能の『わざ』はデジタルで伝わるのか?」
- [コメンテーター]
- アルベール・ビアンヴニュ・アコハ(アフリカ、アボメ=カラヴィ大学教授)
- 中村 美奈子(お茶の水女子大学准教授)
- 小島 一成(神奈川工科大学准教授)
- 13:00~14:10 セッション5「身体技法を展示する」
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- [コーディネーター]
- 中村 ひろ子(神奈川大学COE教員)
- [パネリスト]
- 中村 ひろ子(神奈川大学COE教員)「展示をつくる1 -研究成果発信装置としての可能性-」
- 青木 俊也(松戸市立博物館学芸員・神奈川大学COE教員)「展示をつくる2 -研究成果発信装置としての可能性-」
- [コメンテーター]
- 笹原 亮二(国立民族学博物館准教授)
- 村井 良子((有)プランニング・ラボ代表取締役)
- 14:20~15:20 質疑応答
- 15:40~17:40 総合討論
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- 前半 国際シンポジウムのまとめ
- <司会>佐野 賢治
- 後半 COEプログラム全体についてのまとめ
- <司会>橘川 俊忠(神奈川大学教授・COEサブリーダー)
- 17:40~17:45 閉会挨拶
第2回COE国際シンポジウム
テーマ | 図像・民具・景観 非文字資料から人類文化を読み解く |
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開催日 | 2006年10月28日(土)・29日(日) |
会 場 | 横浜キャンパス16号館 セレストホール |
第1日目 10月28日(土)
プログラム
- 10:00~10:05 開会挨拶
- 山火 正則(神奈川大学長)
- 10:05~10:20 主催者挨拶
- 福田 アジオ(神奈川大学教授・神奈川大学COE拠点リーダー)
- 10:20~12:00 セッション1「非文字資料をめぐる方法論的諸問題」
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- [コーディネーター]
- 的場 昭弘(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- アラン=マルク・リュ(フランス、リヨン第3大学教授)「デジタル人類学・マルチメディア環境のためのデジタル資料」
- 的場 昭弘(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)「非文字資料はいかに認識されるか -知覚をめぐる哲学的諸問題-」
- [コメンテーター・司会]
- 橘川 俊忠(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- 13:30~15:30 セッション2「図像のなかの暮らしと文化-日本と東アジアの近世」前半
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- [コーディネーター]
- 金 貞我(神奈川大学COE教員)
- [パネリスト]
- 福田 アジオ(神奈川大学教授・神奈川大学COE拠点リーダー)「生活絵引編さんの世界的意義」
- 田島 佳也(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)「近世生活絵引の作成に向けての試み-『農業図絵』を題材にして-」
- 王 正華(台湾、中央研究員近代史研究所研究員)「17・18世紀中国における都市図、都市文化と風俗画の興隆」
- 金 貞我(神奈川大学COE教員)「韓国・朝鮮編絵引編纂と図像資料-「平壌監司饗宴図」を例にして」
- [司会]
- 西 和夫(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- 16:00~16:55 セッション2「図像のなかの暮らしと文化-日本と東アジアの近世」後半
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- [コーディネーター]
- 金 貞我(神奈川大学COE教員)
- [コメンテーター]
- ジョシュア・モストー(カナダ、ブリティッシュコロンビア大学教授)
- メラニー・トレーデ(ドイツ、ハイデルベルグ大学教授)
- [司会]
- 西 和夫(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- 16:55~17:00 閉会挨拶
第2日目 10月29日(日)
- 10:00~12:00 セッション3「犂の形態比較から東アジアの民族移動に迫る」
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- [コーディネーター・司会]
- 河野 通明(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 渡部 武(東海大学教授)「中国の伝統犂とその技術移転」
- 金 光彦(韓国、仁荷大学校名誉教授)「韓国犂の形態と地域的特徴」
- 河野 通明(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者 )「日本犂に見られる朝鮮系・中国系とその混血型」
- [コメンテーター]
- 尹 紹 亭(中国、雲南大学教授)
- 13:30~15:30 セッション4「景観・空間編成分析における資料としての写真の可能性」
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- [コーディネーター・司会]
- 八久保 厚志(神奈川大学助教授・神奈川大学COE共同研究員)
- [パネリスト]
- 藤永 豪(佐賀大学講師・元神奈川大学COE研究員(PD))「景観分析における資料としての写真の可能性」
- 浜田 弘明(桜美林大学助教授、神奈川大学COE教員)「景観研究資料としての『渋沢フィルム』の今日的意味 -韓国南部を例に-」
- [コメンテーター]
- 鄭 美愛(平成国際大学非常勤講師)
- 奥野 志偉(神戸流通科学大学、教授)
- 15:45~17:25 総合討論
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- [司会]
- 北原 糸子(神奈川大学非常勤講師・神奈川大学COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 的場 昭弘(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- 金 貞我(神奈川大学COE教員)
- 河野 通明(神奈川大学教授・神奈川大学COE事業推進担当者)
- 八久保 厚志(神奈川大学助教授・神奈川大学COE共同研究員)
- 17:25~17:30 閉会挨拶
第1回COE国際シンポジウム
テーマ | 非文字資料とはなにか -人類文化の記憶と記録- |
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開催日 | 2005年11月26日(土)・27(日) |
会 場 | 横浜キャンパス16号館 セレストホール |
第1日目 11月26日(土)
プログラム
- 10:00~10:05 開会挨拶
- 山火 正則(神奈川大学長)
- 10:05~10:20 主催者挨拶
- 福田 アジオ(神奈川大学教授・COE拠点リーダー)
- 10:00~12:00 基調講演「非文字資料から見る人類文化」
- 川田順造(神奈川大学教授・COE拠点サブリーダー)
- 10:00~12:00 セッション1「記号と写実 -19世紀後半メディアがもたらした衝撃-」
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- [コーディネーター]
- 北原 糸子(神奈川大学非常勤講師・COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 原信田 實(国際浮世絵学会会員、2003年度COE共同研究員「見えない都市-出来事を語る江戸の錦絵」
- セバスチャン・ドブソン(イギリス・写真歴史家)「写真による日本に対してのまなざしの形成」
- コンスタンチン・グーバー(ロシア・ロシア海軍博物館チーフアーチスト)「航海と発明の先達アレキサンダー・モジャイスキーが残した芸術と科学の遺産」
- [コメンテーター]
- 渡辺 俊夫(イギリス、ロンドン芸術大学トランスナショナル・アート研究所教授)
- 金子 隆一(東京都写真美術館学芸課専門調査員・COE共同研究員)
- 15:00~16:45 セッション2「身体技法と祭祀芸能 -祭祀者の動きと人形の動きから-」
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- [コーディネーター]
- 廣田 律子(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 張 劲 松(中国、湖南省民間文芸家協会副主席)「中国瑶族の祭祀者の身体技法」
- 田 耕 旭(韓国、高麗大学民俗学研究所所長)「韓国の祭祀芸能における身体技法」
- 大谷津 早苗(昭和女子大学助教授)「人形から見る身体技法」
- [コメンテーター]
- 康 保成(中国、中山大学教授)
- 山口 建治(神奈川大学教授、COE事業推進担当者)
第2日目 11月27日(日)
- 10:00~12:00 セッション3「民具と民俗技術」
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- [コーディネーター]
- 河野 通明(神奈川大学教授、COE事業推進担当者)
- [パネリスト]
- 周 星(愛知大学教授)「中国民俗学は日本の民具研究から何を学ぶべきか」
- 尹 紹亭(中国、雲南大学教授・人類学博物館館長)「中国木製犂の形態と分布」
- 高 光敏(韓国、済州大学校博物館学芸研究員)「排泄の民俗と民具-済州島・韓半島・舟山島の比較」
- [コメンテーター]
- 近藤 雅樹(国立民族学博物館教授)
- 安室 知(国立歴史民俗博物館助教授)
- 13:00~14:45 セッション4「非文字資料の情報化と教育」
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- [コーディネーター・司会]
- 的場 昭弘(神奈川大学教授・神奈川大学COE共同研究員)
- [パネリスト]
- 白 庚 勝(中国、民間文芸協会副主席)「中国における文化遺産の保護について」
- ジュヌヴィエーヴ ガロ(フランス、パリ国立文化遺産研究所校長)「フランスにおける文化遺産の保護について」
- 能登 正人(神奈川大学助教授・COE共同研究員)「オントロジー理論に基づく非文字資料のデータ化可能性の検討」
- [コメンテーター]
- アラン・マルク・リュ(フランス、リヨン大学教授)
- 橘川 俊忠(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- 15:00~16:45 総合討論
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- [コーディネーター]
- 佐野 賢治(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- [各セッションの報告]
- セッション1コーディネイター:北原 糸子(神奈川大学非常勤講師・COE事業推進担当者)
- セッション2コーディネイター:廣田 律子(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- セッション3コーディネイター:河野 通明(神奈川大学教授・COE事業推進担当者)
- セッション4コーディネイター:的場 昭弘(神奈川大学教授・COE共同研究員)
- 討論
- まとめ
- 16:45~17:00 閉会挨拶
同時開催 企画展示
「浮世絵における常識と非常識 -復刻版でみる『名所江戸百景』-」
日時 | 2005年11月18日(金)~30日(水)12:00~16:30 *23日(水・祝)休み *20日(日)・26日(土)、27日(日)のみ10:00~18:00 |
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*終了しました。多数のご来場ありがとうございました。