只見町公式ホームページ エコミュージアム 俯瞰写真 自然と暮らし 只見町所蔵民具検索

屋根葺作業の中でも、グシ(棟)が完成すると、夕方からグシマツリが行われる。家主やグシマツリに登る棟梁は、風呂に入り身を清め、紋付羽織の正装に着替える。屋根葺職人の長である棟梁は、幣束を切り、家主・棟梁・家主の親類など七人ぐらいで祭りの品々を持って屋根に登る。棟梁は、グシに幣束を立て、その前にグシモチ(グシ餅)を三つ重ねたものを三つ並べ、膳に載せた供え物を飾る。棟梁は二礼二拍手一礼し、塩と水を四隅にまき、幣束の前に供えたグシモチにお神酒を注ぎ、代々受け継いできた巻物を広げ祝詞を奏上する。小林の梁取隆さんによると奏上される巻物に書かれた祝詞は「葺合歌ニ曰ク 天竺ノダンドクセンノカヤナレバ今葺合萬ズ代ヲヘシ スギノ歌ニ曰ク チハヤ振ル神ノ附ケオリスギナレバ悪風アレバ空ヲフキユク ヒヤイノ歌ニ曰ク 此ノダキハ神ノ氏子ノ集リテ附ケオリ茅ノカデクチナシ」である。祝詞の後、棟梁はお神酒を主人はじめグシに登った人たちにさし、最後に主人が棟梁にお神酒をさす。次にシホウガタメノモチ(四方固めの餅)を四隅にまき、穴あき銭がまかれる。最後にグシモチを人の集まっている所に大声で「グシモチだあ グシモチだあ」と言ってまいて、グシマツリを終える。夜は、屋根葺職人や手伝いのジハシリを集め祝宴を行う。現在では、グシマツリをタテマエの中で行っており、グシマツリ単独で行うことは無くなってきている。

グシマツリ
グシマツリ(只見町教育委員会所蔵)