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タテマエ(建前)は上棟式のことをさしており、柱や梁を組み立て、棟を上げた時に行われる建築儀礼で、家内安全と子孫繁栄を願う。タテマエに先立ち、村人がヒブセと呼ばれる木製の男根と女陰を作成し、棟木の下にとりつけ防火の呪物とする。タテマエでは、建築に関わった職人である番匠(大工)と元山(杣)の長が司祭の役割を担い、その他に家主とその親族が参加する。棟には、尺ざおに矢羽根をつけ北に向けて立て、女性の持ち物である髪の毛・くし・麻・オサ・鏡を結びつける。番匠・元山の長は、タテマエの前に風呂に入り身を清めた後、それぞれ、タテマエで使用する幣帛を自ら作成する。タテマエでは、元山が第一、番匠が第二とされ、祭壇への登り降りなど、全てにおいて元山から行う。それぞれが作成した幣束と使用する道具を携えて祭壇に登る。祭壇には、神酒・塩・洗米・魚・グシモチ・四方固めのフクデモチ4個・穴あき銭12枚を供える。各職人の長は受け継いできた巻物を披露する。職人によっては、巻物に書かれた祝詞を読み上げたり、巻物を最初から最後まで開く職人もいる。巻物の披露を終えるとグシモチと四方固めのフクデモチと穴あき銭を巻く。タテマエが終わると、職人・家主とその親族・集落の人々を集め宴会を行う。屋根葺職人は、屋根が葺き上がった後に行われるグシマツリで巻物を披露するが、現在では、タテマエと一緒に行うようになっており、祭壇には、元山・番匠・屋根葺職人の職人の長が登りそれぞれの巻物を披露する。

タテマエ