若手研究者の育成

若手研究者の育成

本プログラムでは、学内外の博士課程修了者(単位取得満期退学者を含む)を対象とするCOE研究員(PD)と、本学大学院博士後期課程在学者を対象とする同(RA)という制度を設けて、国際的に活躍が期待できる若手研究者の育成をめざした。この制度は、それぞれの研究員が本プログラムの調査・研究活動に参加し、また自己の研究課題に取り組み、非文字資料を対象とする研究者に成長することを支援するものである。5年間の事業推進期間中、PDについては、実数9、延べ16名を採用した。そのうち5名を派遣研究者として海外の提携研究機関に派遣し、報告書の執筆など研究成果をあげた。その結果、PD1名が国立大学専任講師に採用され、1名が博士の学位を取得した。また、RAについても、5年間で実数12、延べ22名を採用した。そのうち3名が学位論文を取得した。このRAの中からも中国に5名、ブラジルに2名をそれぞれ提携研究機関へ派遣した。

この派遣研究員制度とともに、訪問研究員制度により海外提携研究機関の若手研究者を招いて共同研究を推進した。本プログラムの拠点の1つである歴史民俗資料学研究科では、すでにフランス・中国・韓国・コンゴなどの博士後期課程留学生、さらに日本常民文化研究所ではアメリカ合衆国・カナダ・ブラジル・中国・韓国などの若手研究者を外国人研究員として受け入れ、国際的な学術交流に大きな成果をあげているが、訪問研究員の受け入れはそれをさらに発展させることになった。プログラム推進期間中、中国17名、韓国1名、ブラジル4名、カナダ2名など合計24名の若手研究員を受け入れた。

こうした本プログラム採択後の教育環境の下で、歴史民俗資料学研究科では14名の院生が新たに課程博士の学位を取得した(2007年度取得見込みを含む)。PD・RAを含む院生の論文・調査報告などの研究成果は、レフェリー制度をとる『年報 人類文化研究のための非文字資料の体系化』や紀要『歴史民俗資料学研究』に主に掲載され公開された。また、最終年度のPD・RAによる研究成果は、『非文字資料研究の可能性-若手研究者成果論文集』として結実した。なお、この間、歴史民俗資料学研究科の課程博士修了者2名が私立大学の兼任講師として採用され、中国言語文化専攻の修了者1名も本学の専任講師として教育研究にあたっている。さらに、日本常民文化研究所特別研究員のうち、1名が民俗学担当助(准)教授として国内の大学に採用された。


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